記号の世界ゟ

このブログでは, 数学書などの書評を書きます。また、受験などの勉強法をまとめます。

可約な場合の超幾何方程式の解について

本記事では以下の定理を示す. (定理) とおく. の 1 つが奇数ならば は初等関数とその積分で書ける.これは方程式が可約のとき,方程式が解けることを意味する.特殊な場合として,可約な場合の超幾何方程式も解ける.もっと言えば,超幾何方程式に帰着さ…

なぜ素イデアルを点と見るのか

代数幾何について最近ちょっとしっくりきたのでまとめておきます.タイトルでは素イデアルを挙げていますが,そこに至るまでを詳しく書きます.いろんな説明の仕方があると思いますが,幅広く議論する気はありません.アファインの場合だけを考えますし層の…

単独高階微分方程式の連立一階微分方程式への変形について

単独高階線形微分方程式を一階の連立微分方程式に変形する方法は有名です.一方,逆に連立方程式を単独高階方程式に直せることが知られています.この事実は時々説明されることはあるものの証明が書かれていることはほとんどないです. そこで巡回ベクトルを…

新年の抱負2019

新年あけましておめでとうございます。 今更ですね。 ちょっとごちゃごちゃしてたので、新年の抱負をこのタイミングで書いておきます。 去年の抱負は「趣味を楽しむ余裕を持ちながら、やるべきことをやっていく」でした。けっこう達成できたのではないかと思…

理想的な物理理論としての電磁気学

この記事は以下の一連の記事の最終回ですが,今回の内容が目標だったので,できるだけこれまでの記事を読まなくても理解できるように説明していく. tetobourbaki.hatenablog.com tetobourbaki.hatenablog.com tetobourbaki.hatenablog.com tetobourbaki.hat…

理想的な物理理論としての電磁気学(4)

以下の記事の続きです. tetobourbaki.hatenablog.com一連の記事の目的としては,あとはゲージ変換やゲージ不変性について説明すれば終わりです.参考にしている牟田『電磁気学』では非相対論的な電子の場を使って議論をしているため,これと同じ説明をする…

理想的な物理理論としての電磁気学(3)

ラグランジュ密度を用いて微分方程式を出す方法とその利点をまとめていきます. 以下の記事の続きです. tetobourbaki.hatenablog.com今回はコッティンガム,グリーンウッドの『素粒子標準模型入門』を参考にしています. 連続系のラグランジュ形式 ローレン…

理想的な物理理論としての電磁気学(2)

今回は以下のブログの続きで、相対性理論に関連することをまとめる. tetobourbaki.hatenablog.com ローレンツ変換 テンソル ローレンツ共変性 共変形式のマクスウェル方程式 ローレンツ変換 物理学では,「座標が変わっても法則の形は変わらない」という信…

理想的な物理理論としての電磁気学(1)

物理学の様々な分野を勉強する上で,電磁気学は理論のお手本として提示されることが多い.つまり,成功した理論である電磁気学との類推で新しい理論の方針を決めるという場面が非常に多い.そのため,電磁気学のどこを見て成功している理論と呼んでいるのか…

オイラー・ポアソン方程式とリー・ポアソン構造

(この記事は数理物理 Advent Calendar 2018 - Adventar 4日目の記事です。)固定点を持つ剛体の運動を表す方程式(つまり,コマの方程式)はオイラー・ポアソン方程式と呼ばれ*1,以下のように書ける. 本記事の目標はこの方程式がラックス形式で書けること…

Kovacicのアルゴリズム

Kovacic(コバシック)のアルゴリズムとは,2階の線形微分方程式を解くアルゴリズムです.もちろん,解けない微分方程式もあるのですが,解ける時は解を求め,解けない時は求まらないことを教えてくれます.このアルゴリズムはMapleやMathematicaでも使われ…

発散級数とBorel-Laplace総和

この記事では,収束するとは限らない級数に関数を対応させる方法である,ボレル変換とラプラス変換を説明します.例として,ときどき紹介される謎の式 についても説明します.前提知識がある人のために注意しておくと,本記事では原点が特異点の場合を考えて…

フィルターの収束の意味

以前、位相空間におけるフィルターの収束やそれを一般化した収束空間についていくつかの記事を書きました.フィルターの収束は位相空間論で非常に便利な道具ですが,そのイメージが湧きにくいことから,フィルターを使った議論を毛嫌いする人が多いと感じま…

位相性と正則性

位相空間を一般化した収束空間はもちろん位相空間とは限りません.では,位相的であるという性質は何を意味するのでしょうか.実は,正則性の条件の類似であることが知られています.今回はこのことを紹介します.この記事では基本的に以下の記事の知識を仮…

収束空間について

位相空間をフィルターを使って論じたブログに反響がありました.特に,位相空間を一般化した前位相空間について知りたいという声がありました.位相空間が一般化できるとは思いもしなかった人がかなりいるのではないかと思います.tetobourbaki.hatenablog.c…

位相空間論とフィルター

位相空間論の性質を論じるにあたって,フィルターが非常に便利です.この記事では,フィルターの使い方を解説します. 最初の節では,フィルターやフィルターの収束を定義します.位相空間の基本的な用語をフィルターで言い換えていきます.次の節では,コン…

数学のpdfを書いています

書きながら公開している数学のpdfをブログでも見れるようにしようと思います。・微分ガロア理論入門 微分ガロア理論をほとんど前提知識を仮定せず解説しています。 微分ガロア理論入門 - Google ドライブ微分ガロア群を定義したところまで進んでいます。次は…

新入生に勧める数学書2018

ツイッターで大学新入生にオススメの数学書を、ハッシュタグ #新入生に勧める数学書2018 で募集しました。タグを作りました。皆さん、自由に語りましょう。いろんな立場の人が選ぶことで、楽しいリストができると思います。#新入生に勧める数学書2018#新入生…

q類似とテイラー展開(可積分系入門)

今回は類似を導入して,多項式のテイラー展開の類似を解説します.(一応,以下の記事の続きですが,この記事だけで独立して読むことができます.) tetobourbaki.hatenablog.com q類似とは 様々なq類似 多項式のテイラー展開 まとめ q類似とは は 以外の実…

整数の分割とヤング図形(可積分系入門)

この記事の続きですが,本記事だけで楽しめます. tetobourbaki.hatenablog.com 当分は可積分理論に現れる基本的な手法を見ていきます. 組み合わせ問題 組み合わせ問題は一般に解くことが難しいです.組み合わせ問題の面白さというのは、全ての組み合わせを…

可積分理論入門(イントロダクション)

「可積分理論入門」というタイトルではありますが,自分で勉強しつつ,勉強したことをまとめておこうというのが,この記事のモチベーションです.それでは,始まり始まり. 可積分系とは何か KdV方程式 Darboux変換 KdV方程式とLax pair 応用例 まとめ 付録 …

変換群と無限小変換(可積分系入門)

今回は変換群と無限小変換を説明します. 特に,微分の指数 が関数の平行移動であることを確認します.これはテイラー展開の意味付けにもなります.今回の内容は岩波講座 応用数学『ソリトンの数理』の1.1節の内容を下敷きにしていることをお断りしておきま…

微分係数と導関数の違い

高校生で微分係数と導関数の違いが分からない人が多いと思います. 今回は微分係数と導関数の違いについて解説したいと思います. ただし,それほど厳密な議論はしないので,ご了承ください. 定義 微分係数の計算 微分係数から導関数へ まとめ 定義 まずは…

17才からの微分方程式【0-0】数の方程式と関数の方程式

高校生でも分かる微分方程式の説明をしていきます。数IIと数B(特に微分と数列)を前提としますが、大事なことは復習します。また、数IIIや大学の初年度に学ぶこともついでに勉強できるように書いていきます。高校2年生までに扱ってき方程式は解は実数や複…

17才からの微分方程式の目次

連載「17才からの微分方程式」の目次です。 このページから全てのページにアクセスできるようにします。 書いていく内容の自分用のメモでもあります。 微分方程式について 数の方程式と関数の方程式 微分方程式の解とは? (関数の考え方 v.s. 代数的な考…

新年の抱負2018

2018年明けましておめでとうございます。 今年もよろしくお願いします。 今年は忙しくなりそうなので、 「趣味を楽しむ余裕を持ちながら、やるべきことをやっていく」 を抱負にします。 さて,今年はブログで色々書いていこうと思っているのですが、書こ…

Zornの補題を使った代数的閉包の存在証明

おはよー!こんちわー!こんばんわー!おやすみー!おきてええええええええ!!! ラブルことLoveブルバキです. 2017年はZornの補題の便利さが身に沁みた一年でした. 例えば、超越基底の存在はZornの補題で簡単に証明できました.(スカイプで『微分体…

吉田善章『応用のための関数解析』

今回は関数解析の本の感想を書きます. 関数解析の使い方が分かる非常に面白い本です.新版 応用のための関数解析―その考え方と技法 (SGC BOOKS)作者: 吉田善章出版社/メーカー: サイエンス社発売日: 2006/10/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商…

微分ガロア理論の文献

微分ガロア理論に関する文献をまとめます. 微分ガロアに限らず, それを勉強するために必要な知識や, 関連する分野の文献もまとめます. 著者とタイトルは書きますが, その他のデータ(出版社や年度)まで書くのは大変なので省略することがあります. このブログ…

シンプソンの公式と誤差評価

今回は数値積分の一つの手法であるシンプソンの公式を紹介します. この公式が単なる近似公式ではないことを見ていきます.(数学が苦手でない人はシンプソンの公式から読むと良いかもしれません) 数値積分とは 台形公式 シンプソンの公式 3次の多項式に適用→驚…