『微分体の理論』を読んでいたときに,指数関数の代数的独立性が必要になった(と思う)が,証明が分からなかった.たまたま読んでいた本に証明がのっていたので,復習をかねてまとめておく.
(証明) が代数的従属とすると, が 上線形従属であることを示す.
係数が の 変数単項式 に対して, を代入すると,
が成り立つ.そこで, と定める.仮定より, に対して,非自明な多項式 で
となるものが存在するので,非零の複素数 と異なる単項式 を用いて,
と表す.すると,
となる. と表すことにする.この式を 回微分すると全てで 個の連立方程式が得られる.
これは行列で書くと以下のようになる:
つまり,線形方程式
は非自明な解を持っているため,係数の行列は正則でない.係数の行列はファンデルモンド行列であり,行列式は
となるから,ある で となる.
つまり, となる. の定義に戻れば,これは が整数係数の非自明な線形関係式を満たすことを意味する.
(参考文献)
『Divergent Series, Summability and Resurgence I』