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記号の世界ゟ

このブログでは, 数学書などの書評を書きます。また、受験などの勉強法をまとめます。

関数論の古くて新しい視点 アンリ・カルタン「複素関数論」

タイトル  Elementary Theory of Analytic Functions of One or Several Complex Variables

著者 Henri Cartan

出版社 Dover

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 私が複素関数の面白さに目覚めた本

ブルバキのメンバーのアンリ・カルタンによる複素関数論の本です。
 特徴としては、
  1. 形式ベキ級数の理論をフルに使った導入
  2. 微分形式を前提にした積分
  3. 多変数関数, 楕円関数, 微分方程式と様々な話題が書かれている
などが挙げられます。英語の本ですが翻訳もあるみたいです。
 

内容

 日本の講義や本では形式ベキ級数の理論があまり扱われないと思います。
形式ベキ級数とは収束するとは限らない級数であり, その中でも収束する(収束半径が0でない)ものが複素関数論の主役です。
複素関数では正則な(微分可能な)関数は解析的なので, 形式ベキ級数の方が正則関数よりも一般的な概念となっていることにも注意してください。
一般的と言っても, ベキ級数だけで, 可逆元, 逆関数, 微分などの理論が簡単に扱えます。
その特殊なケースとして正則関数を考えることで, より正則関数の特徴を明確に理解することができます 。
 
数学の他の分野の理論が関数論でいかに使われるかということを知ることができます。
逆に言うと、想定する前提知識が少し多く、この本の欠点ではあるでしょう。
環や体の言葉を少し知っていないと読み辛いかもしれません。 
また、積分微分形式が使われているのは, この本を読む上で少しハードルになっているかもしれません。
また, 様々な話題が書かれていると言っても, 紹介だけで終わっているものもあります。

 まとめ

  • 新しい見方ができるようになる
  • 様々な話題を知ることができる
  • 複素関数論のテキストの1冊目としては難しいかも
複素関数論の2冊目の本としてはこれ以上のものは無いのでは?
このような素晴らしい本が安く買えるのはDoverの魅力ですね。

 

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